内閣府が進めている戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期の「統合型ヘルスケアシステムの構築」課題の内、【研究開発テーマ名:テーマB-5:医療機器・材料のトレーサビリティデータ収集・分析システムの構築を通じた医療機器開発・改良支援、医療資源最適化、病院経営最適化支援 】に国立国際医療研究センター(研究責任者 医療情報基盤センター長 美代賢吾)が採択されました。
現在、B-5チームの関係者にて研究開発を進めておりますが、この取り組みを多くの方に伝えご理解いただき、活動の輪を広げることを目的にこのホームページで情報発信を進めています。
医療デジタルツインにより、医療現場の状況が可視化されます。医療機器・材料の使用データや院内および院外の移動情報を含むトレーサビリティ情報をデジタルツインに蓄積することで、いつ・どこで・何が・誰に・どのように使われたかが可視化できます。それにより、医療安全、物流の効率化だけではなく、診療報酬請求と連携することによる診療報酬の適正化や、データを経営ダッシュボード等に取り込むことで、より精緻な病院経営の最適化の支援を行うことができます。
さらに、医療デジタルツインに蓄積され診療情報と連携させることで、市販後調査はもちろんのこと、新たな治療方法の発見、医療機器・材料の改良や新製品開発への活用が期待できます。また医療現場の使用状況を匿名化した上で、製造メーカーや流通を担うディーラーとも共有することで、より適正な供給の支援だけでなく、災害時等の医療材料・医療機器の融通も含めたBCP対策、流通の可視化による医療機器・医療材料の経済安全保障への貢献も可能となります。